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洗練されたノスタルジー 永井博

永井博の作品は、カッコよく静かで、どこか懐かしい世界。
そして、昭和の美学と深く結びついています。
彼の描く風景は、1980年代を象徴するようなカラッとした青空、ヤシの木、プールサイド、海辺のドライブなど、まるでリゾート地のポストカードのような世界観。
これは、昭和後期の日本が憧れた「アメリカ西海岸のライフスタイル」とも共鳴し、当時のポップカルチャーと密接に関わっていました。
特に、1981年に発表された大滝詠一のアルバム『A LONG VACATION』のジャケットは、日本のシティポップの象徴ともいえる作品となり、昭和レトロブームの中で再評価され続けています。
その洗練されたグラフィックは、昭和のノスタルジーとともに、現代の若者たちにも新鮮に映るのでしょうか。
現在、昭和レトロブームが再燃する中で、永井のイラストはレコードジャケットやファッションアイテムとして再び脚光を浴びています。
まるで時間が止まったかのような、あの頃の「理想の夏」を描いた作品は、時代を超えて愛され続けているのです。

永井博(Hiroshi Nagai)
1947年徳島市生まれのイラストレーター。1970年にグラフィックデザイナーとして活動を開始し、1973年にアメリカへ40日間の旅を経験。翌年にはグアム島を訪れ、そこで目にした風景が作風の原点となった。1975年より湯村輝彦に師事し、1978年に独立。
大滝詠一の『A LONG VACATION』『NIAGARA SONG BOOK』などのレコードジャケットを手掛け、スカッと抜ける夏空やトロピカルな風景を特徴とする独自のスタイルを確立。以降、サザンオールスターズ、松岡直也、杉山清貴、憂歌団、サニーデイ・サービス、石黒ケイなど、多くのアーティストのレコード/CDジャケットや広告、雑誌のイラストを制作。ファッションや音楽シーンにも影響を与えた。

近年はステーショナリーメーカーやアパレルブランドとのコラボレーションを展開し、Paul SmithやFenderとも協業。ブラック・ミュージックのコレクターであり、DJ活動も行う。
主な出版物
『A LONG VACATION』(1979)、『HALATION』(1981)、『NIAGARA SONG BOOK』(1982)、『Time goes by…』(2008/2017復刊)、『CONTRAST』(2019)、『NITEFLYTE』(2020)、『FAVORITE(POOLS/CRUISIN’/HUMAN NATURE)3冊セットBOX』(2021)など。
プロモーション活動
ユニクロ/UTとのコラボ、愛媛県みずほ銀行の宝くじイラスト、限定グッズ販売、Fenderとのコラボギター発売など、幅広い分野で活躍している。